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「吸血鬼・昂夜/監視員・碧」シリーズ 2話
本文は続きから
本文は続きから
大きな一軒家。
彼が住んでいる家。
私も住むことになった家。
「はい、此処が碧の部屋。僕は、反対側の部屋だから。用事があったら、何時でも尋ねて」
そう云って、彼は自室へ戻った。
私も、新しい自分の部屋に入る。
片付いている部屋。
ある物と云えば、ベッドとタンスと本棚。
それ以外は何も無い。
新しい、と云うのは実に気分が良い。
何もかも、新たな気持ちで始められる。
部屋へ戻っていった彼を呼び、他の部屋も案内して貰った。
この広い家に一人―正確に云うと二人だが―で暮らしているわりには、細かい所まで綺麗にしている。
潔癖症なのだろうか?
最後に、リビングへ行った。
そこには、大きなグランドピアノ。
「此れは、本当に大事な物だから触らないでね」
「解った」
彼はそう云って、私は答えた。
新しい生活。
彼が吸血鬼である点を除けば、実に良い。
「此処で碧の新生活が始まるんだね」
「……そうだな」
「でもって、僕にとっても新生活」
「何故?」
私は彼の顔を見上げ、云った。
彼は、微笑んで
「『碧と一緒に暮らす』これは、僕にとって初めてのことだよ?もちろん、碧にとっても」
「確かに」
では、彼はどれだけ沢山の"新生活"を送ってきたのだろうか?
監視員に監視され、どれだけの年月を過ごしてきたのだろうか?
「碧も、新生活を大事にしなよ?出会いって、とっても大切だから」
「お前は――」
そう云って、口を閉じる。
疑問に感じていることなど、何時か解るだろう。
これから、一緒に暮らしてゆくのだから。
彼が住んでいる家。
私も住むことになった家。
「はい、此処が碧の部屋。僕は、反対側の部屋だから。用事があったら、何時でも尋ねて」
そう云って、彼は自室へ戻った。
私も、新しい自分の部屋に入る。
片付いている部屋。
ある物と云えば、ベッドとタンスと本棚。
それ以外は何も無い。
新しい、と云うのは実に気分が良い。
何もかも、新たな気持ちで始められる。
部屋へ戻っていった彼を呼び、他の部屋も案内して貰った。
この広い家に一人―正確に云うと二人だが―で暮らしているわりには、細かい所まで綺麗にしている。
潔癖症なのだろうか?
最後に、リビングへ行った。
そこには、大きなグランドピアノ。
「此れは、本当に大事な物だから触らないでね」
「解った」
彼はそう云って、私は答えた。
新しい生活。
彼が吸血鬼である点を除けば、実に良い。
「此処で碧の新生活が始まるんだね」
「……そうだな」
「でもって、僕にとっても新生活」
「何故?」
私は彼の顔を見上げ、云った。
彼は、微笑んで
「『碧と一緒に暮らす』これは、僕にとって初めてのことだよ?もちろん、碧にとっても」
「確かに」
では、彼はどれだけ沢山の"新生活"を送ってきたのだろうか?
監視員に監視され、どれだけの年月を過ごしてきたのだろうか?
「碧も、新生活を大事にしなよ?出会いって、とっても大切だから」
「お前は――」
そう云って、口を閉じる。
疑問に感じていることなど、何時か解るだろう。
これから、一緒に暮らしてゆくのだから。
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