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「吸血鬼・昂夜/監視員・碧」シリーズ 1話
少し死ネタ
ですが、あまり重くは無いと思います

本文は続きから
………………。

空は雲に覆われ、青さを失っていた。
暗い。
全て、白と黒の世界。

「……仲間が、また一人」

死んでしまった。
この世にたった一人生き残る、吸血鬼のせいで。

「お嬢さん、君が次の監視員?」

吸血鬼は、微笑む。
その微笑みの裏側には、どんな悪が巣食っている?
何故殺しても、平気で笑っていられる?

「僕の名前は、霧嶋昂夜。君は?」
「…………」

此処に、仲間の敵がいる。
憎い。
しかし、

「仕事なんでしょ?一緒に暮らすんだから、名前くらい教えて?」
「……緑翠碧」
「じゃあ、『碧』って呼ぶね。よろしく」
「…………」

仕事だからとは云え、仲間を殺した奴と一緒に暮らしたくない。
憎い。
それだけじゃない。
怖い。
殺されるかも知れないのに。

「返事、してくれないの?したくないなら別に良いけど。まぁ、理由は大体解ってるし。
 ――僕が憎いんでしょ?僕が怖いんでしょ?」

「…………!」
「図星?その感情、僕にぶつけてくれて構わないよ。僕、そう云うの慣れてるから」

こいつは馬鹿か?
そう思った。
そして、何とも云えない感情が込み上げて来た。

憎い。
泣きたい。
怖い。
恐ろしい。

恐怖?
憎しみ?
哀しみ?

解らない。

とにかく、涙が溢れた。

「泣きたいときに、泣けば良いんだよ。それで気が晴れるなら。恐怖は、きっと消えないよ。消えちゃいけないよ?」

「油断したら……僕に食べられちゃうかもしれないから」

仲間を殺した吸血鬼の言葉が、心に染みた。
空は、未だに白と黒の世界のまま。

……………………。
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千鳥
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良くも悪くもマイペースな管理人
今現在、受験生(であるはず…)
カイメイSNS・にゃっぽんでは「浜千鳥」と名乗っています


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