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「吸血鬼・昂夜/監視員・碧」シリーズ 5話
本文は続きから
本文は続きから
夜、彼はベランダに出て外の景色を見ながら、ワインを飲んでいた。
「……楽しいのか?」
「碧も飲む?」
「未成年だから」
「そう……残念」
そう云って、残ったワインを一気に飲み干す。
ワイングラスをテーブルの上に置き、彼は私の方を見る。
「碧はまだ未成年だったんだねぇ……」
「十八だ。こう見えても」
「若いね」
「……じゃあ、お前は一体幾つなんだ?」
「当ててごらん」
少しアルコールが入っているからなのか、もしくは元来の性格なのか、にこにこ笑っている。
溜め息を一つ吐き、私は見た感じの年齢を云ってみる。
「二十代前半か……?」
「違うよー」
「じゃあ、五十台?」
「そんなに若くないよ」
「若いって……」
五十代で若い、と云っている吸血鬼の基準が解らない。
「じゃあ、一体幾つだ」
「五十の掛ける八」
「……四百」
「はい、正解。まぁ、正確には約四百歳だけど」
吸血鬼は、途轍もなく長生きらしい。
いや、長生きだと云うことは知っていたけれど。
これほどまでとは思ってなかった。
「年寄り」
「まぁ、ね。だから、僕のことは大事に扱ってね」
「何でそうなる?」
「年寄りだから」
今、確信した。
彼は酔ってる。
顔もほんのり赤みがかっているし。
「もう寝ろ」
「はいはい」
「はい、は一回で良い」
「はい、碧」
空になったワイングラスを残して、彼は部屋へと戻っていった。
「……楽しいのか?」
「碧も飲む?」
「未成年だから」
「そう……残念」
そう云って、残ったワインを一気に飲み干す。
ワイングラスをテーブルの上に置き、彼は私の方を見る。
「碧はまだ未成年だったんだねぇ……」
「十八だ。こう見えても」
「若いね」
「……じゃあ、お前は一体幾つなんだ?」
「当ててごらん」
少しアルコールが入っているからなのか、もしくは元来の性格なのか、にこにこ笑っている。
溜め息を一つ吐き、私は見た感じの年齢を云ってみる。
「二十代前半か……?」
「違うよー」
「じゃあ、五十台?」
「そんなに若くないよ」
「若いって……」
五十代で若い、と云っている吸血鬼の基準が解らない。
「じゃあ、一体幾つだ」
「五十の掛ける八」
「……四百」
「はい、正解。まぁ、正確には約四百歳だけど」
吸血鬼は、途轍もなく長生きらしい。
いや、長生きだと云うことは知っていたけれど。
これほどまでとは思ってなかった。
「年寄り」
「まぁ、ね。だから、僕のことは大事に扱ってね」
「何でそうなる?」
「年寄りだから」
今、確信した。
彼は酔ってる。
顔もほんのり赤みがかっているし。
「もう寝ろ」
「はいはい」
「はい、は一回で良い」
「はい、碧」
空になったワイングラスを残して、彼は部屋へと戻っていった。
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