2009/08/11 (Tue) ねぇ、ちょっと、話聞いてる？

カイメイSNSにて投下した物です

性別転換注意！
カイコ×メイトですよ！

それでも良いなら、本文は続きから

「それでねー、そこのお店のアイスがすっごく美味しくてねー」
「ん」
「でね、でね、そのお店の店長さんにね、『べっぴんさんねー』て言われちゃった☆」
「ん」
「またあのお店に行こうと思うんだけど……めーくんも行くよね？」
「ん」
「ちょっとー……話聞いてる？」
「ん」

今、確信した。
絶対に私の話を聞いてない。
さっきから、ソファに座って雑誌を読んでいる。(しかも内容は『幻の銘酒特集！』だ)
ちょっと脹れてみるけど、全く気にしていない(というか、気付いていない)めーくん。

……構って欲しい。
ならば、実力行使をするまで！

「ね、めーくん」
「何だ？」
「脱がして良い？」
「ん」

おｋ。
許可は取った。
後ろから、めーくんの服に手を忍ばせる。
と、すぐに私の腕を掴んで、雑誌から目を離し私の方を見上げた。
正確に言うと、睨まれたんだけど。

でもこれは……良いアングルだと思う。
襲って良いですか？(←

「……何してるんだ？」
「え、めーくんの服を脱がしてる」

掴まれていない方の手で、親指を突き立てて答える。
めーくんは「はぁ！？」って顔になってるけど、そんなの気にしない。

「何で俺の服を脱がしてるんだよ。誰が許可したんだ、そんなこと」
「めーくん」
「…………」

嘘は言ってない。
だって、許可は取ったもの。
話を聞いてないめーくんが悪い。
めーくんは何か言いたそうにしてるけど、自分が話を聞いてなかったのが悪いと分かっているのだろう。
……分かってるはず！

「で、めーくん。続きしても良いでしょー？」
「駄目、絶対」
「えー…めーくんが良いって言ったじゃん！」
「脱がされてたまるか！！」

そう言って、必死に服を元に戻そうとしてる。
必死になっている姿が可愛くて、

「めーくん！」
「何だよ！」

おでこにチュー。
不意打ちだったからか、顔が真っ赤になるめーくん。
こんなに可愛い男なんて、めーくん以外にこの世に居ないと思う。
また何か言いたそうにしているけれど、結局何も言わないでそっぽを向く。

「話を聞いてないめーくんが悪いんだからね？」

だから、

「お仕置き」

ちょっと子悪魔風に笑ってみる。
そしたら、ちらりとこっちを向いて、顔は赤いままで。

「……馬鹿」

あぁ、もう。
可愛いなぁ。
話を聞いてなかったことは、全部許してあげる。
だから、もうちょっと"お仕置き"をさせてよね？

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2009/07/28 (Tue) めーちゃと一緒。#2

カイメイSNSに投下したもの
まだまだ、カイメイ要素は無いと思われますが、苦手な方はご注意を！

本文は続きから

「ただいまー」
「「おかえりーー！！」」

ドタドタという音が聞こえるのと同時に、ミクとリンが走り寄って来る。
いつもならこのまま抱きつくが、今日は一歩手前で止まった。
何せ、今の私はカイトを抱っこしている状態なのだから。
二人の妹は、目を輝かせながら嬉しそうに「新しい子！？」と言う。
私は抱っこしていたカイトを降ろすと、二人ともすぐにしゃがんで話し掛ける。

「男の子ー？可愛いねぇ！名前はー？」
「かいとぉ」
「へー！あ、ウチはリンだよー」
「私はミクねー」
「りんー！みくー！」

また嬉しそうに、名前を連呼する。
人懐っこい性格なのかしら。
すっかり、二人に懐いている。

玄関先でずっと喋っているのもアレなので、リビングに移動する。
リビングにはレンが一人でバナナを食べていた。
これで全員揃った。

「ミクとリンは知ってるけど……新しくこのPCに来た、カイトよ」
「よろしくー」
「「よろしくー！」」

ミクもリンも、嬉しそうに返事をする。
レンも、リンに言われて「……よろしく」と短く答えた。
そう言われて、カイトはニパッと笑う。
それにつられてか、レンもほほえむ。
見ている私も、顔が緩んでしまう。

本来の姿はもっと身長が高くて、声も低いだろう。
でも、このままで良いかなと、思っている自分がいる。
てか、マスターGJ。
むしろこっちの方が良い。
可愛いし……

私がじっと見ていることに気がついたのか、カイトがこっちに寄ってくる。
そして私の足に抱きつき、見上げて満面の笑み。

「あー！めーこ姉ぇ、ずるいー！」
「ずーるーいー！」

妹達が羨ましそうに声を上げるが、私の意志で動いている訳ではないのだから仕方が無い。
カイトの頭を撫でながらそう思った。

これから、どんな生活が待っているのかしら……
少し不安に思うところもあるけれど、カイトの笑顔を見ればそんなもの遠くへ吹き飛んでしまった。
まぁ、何とかなるでしょ！

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2009/07/23 (Thu) 最果て

ボカロのSS　カイト視点
作中の「貴方」は、皆様の想像にお任せします
タイトルで察しがつくと思いますが、小林オニキスさんの素敵な曲「サイハテ」が題材です



本文は続きから

果ての果ての果ての果ての果ての果ての果ての果て……
気が遠くなるほど果ての果て。最果てへ……貴方は逝ってしまった。
僕では行くことができない、扉を開いて。

貴方は無事に、向こうへ辿りついたでしょうか？
もしも便りが此方に届くのであれば、地上に居る僕に手紙を寄こして欲しい。
……嗚呼、多分無理ですね。
貴方は筆不精だから、僕に手紙なんてくれませんよね。

でも、それでも。
僕はずっと貴方のことを思っていますから。
だからこの歌声も、祈りも、想いも、全部、全部、貴方に届いて欲しい。
聞いて欲しい。
……きっと届きますよね？
だって、空はこんなにも晴れているのですから。
必ず、届きますよね…？

火葬場で焼かれる貴方の体は、煙となって向こうへ逝ってしまう。
できるなら、雲となって雨になって僕の元へ戻って来て欲しい。
また、貴方に出会えると信じられれば、僕は少し救われるような気がします。
だから、戻って来て欲しい。


何にも無い僕の人生に、ほんの少し紅を添えてくれた貴方に感謝します。
僕にとって、たおやかな恋でした。

たおやかな恋でした。

「……さよなら」

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2009/07/15 (Wed) めーちゃと一緒。#1

カイメイSNSにて投下したものです
ほのぼので、カイメイ

まだまだ、カイメイ要素はありませんが苦手な方はご注意を

本文は続きから

「よし！インスコしたし、弄るか！」

そう言った僕のマスターは、僕が挨拶を終える前にパラメーターを弄りだす。
あ、ジェンダー値は弄らないで下さい！
いや、マジで。
ますたぁぁぁ！？
らめええええええええええええぇぇぇぇぇぇ！！

……この家に来て早々、僕の視界は暗転した。

　　　　　*　　　*

「メイコー！新しい子が来たよー」

そう言ってマスターは、男の子を連れてきた。
ぶかぶかなコートに、身長に合わない長いマフラーを巻いて。
背丈は三歳児くらい。
マスターに「ちゃんと歌えるんですか？」と尋ねると、画面越しで笑いながら「余裕ｗ余裕ｗｗ」と返事が返ってきた。
本当に大丈夫なのだろうか……

マスターが「ミク達にも、よろしく言っておいて」と言った後、残された男の子と目線を合わせる為にしゃがみこむ。

「きみの名前は？」
「えっとぉ……かいとっ！」

そう言うのと同時に、彼は満面の笑みを見せる。
その笑みに、私も顔が緩んでしまう。
それを見ていたカイトが、「なまえっ、なまえっ」と私に聞く。

「私はメイコよ。好きなように呼んでね」
「んー！めーこ……めーちゃ！」

嬉しそうに私の名前を連呼する。
実に微笑ましい光景。
それと同時に、ある疑問が頭を過ぎる。

（……カイトって、あのカイトよね。こんなに幼いはず無かった…と思うんだけど）

自分の知っている情報によれば、私の後に発売された、私と同じエンジンを搭載したボーカロイド。
パッケージのカイトと、今、目の前にいるカイトは余りにも違いがありすぎる。
多分、本人に聞いても「わからない」と答えるだろう。
うん。原因はマスターだろう。絶対。
今度会ったら問い詰めよう。

「めーちゃ？」

カイトが私を見上げて名前を呼ぶ。
それに気がついて、この幼いカイトを抱き上げる。

「じゃ、早く帰ろうか」
「んー！」

傍から見れば、母親とその子供に見えるだろう。
そんな自分を想像して、含み笑いをした。

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